

前世代の宇宙に地球はなかった
さてここからは、最初の宇宙からどのようにして30〜50回のビッグバン-ビッグクランチを繰り返し、いま私たちが住んでいる宇宙につながったのか、具体的なサイクリック宇宙のイメージを膨らませてみましょう。
現在の宇宙を仮に50回目の宇宙としてあります。さて、まず一番最初の宇宙は、虚時間の「素領域」から、トンネル効果によって、実時間の始まりであるプランクの長さに「ぷっ」と抜け出るようなイメージです。
しかし1回目の宇宙は、残念ながらあまり膨張することができず、ビッグバンはすぐさまビッグクランチへと向かいます。
プランクの長さからちょっと膨らみますが、すぐにプランクの長さにしぼんでしまい、あえなくビッグクランチになるといった感じです
1回目の宇宙の大きさは、最大でもプランクの長さよりあまり大きくなれなかった、ということです。
しかし重要なのは、ここでほんの少しですが、エントロピーを生成することです。これがその後何十回かの宇宙で蓄えられる最初のエントロピーです。1回目のビッグクランチは2回目のビッグバンとどのようにつながるのかというと、すでに述べたように、Tデュアリティの理論で説明できます。つまり縮んでいく宇宙の最後の長さは、膨張していく宇宙のはじめの長さと双対であるという等式に従って、ビッグクランチは次のビッグバンへと実時間のままつながっていくことになります。
2回目の宇宙は、1回目に蓄えたエントロピーがありますので、1回目の宇宙よりは膨張します。しかしまだあまり膨張する力はないので、やはりあえなくしてしぼみます。
もちろん、2回目の宇宙でもエントロピーは生成されます。われわれの計算によると、2回目のエントロピーは1回目のエントロピーのおよそ50倍生成されると考えられます。
かなり粗い計算ですが、エントロピーはその後、宇宙の回数を重ねるごとに50倍ずつ増えていくことになります。
2回目の宇宙の大きさもエントロピーから計算できます。エントロピーの量は体積に比例しますから、体積の3乗根に比例する宇宙の直径を計算しますと、宇宙の広さは、1回目の宇宙の直径の50の三乗根倍、ざっと4倍の広さということになります。
2回目の宇宙は、1回目の宇宙の4倍の広さまで膨張するが、それ以上膨らむことはできずにビッグクランチを迎えるというわけです。
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